【ご報告】殻ノ少女シリーズ、神ゲーでした。
天ノ少女というゲームが神ゲーだと聞いてカルタグラ、殻ノ少女、虚ノ少女、天ノ少女をプレイしたのでその布教。プレイ時間は100時間いかないくらい。
感想のフォーマットが定まっていないから散らかってるけど容赦して。
4作全般に言える事だったけど、犯人目線の描写が生々しくて良かった。リアルで生々しいSEもさることながら、文章のレベルが非常に高く想像力掻き立てられて顔を顰めながら読んでた。
読了後のカタルシスが今までやったADVでもトップクラスに良かった。伝えたい事、描きたいテーマがわかりやすかったからかもしれない。
殻ノ少女シリーズをやる上で触れずにはいられないのがカルタグラ。
HD版が今年出るらしいけど、我慢できずに旧版をプレイ。杉菜水姫のキャラデザ、CGが綺麗すぎて古臭い感じは全く無かった。
陰鬱な展開で気が滅入りそうな中、ヒロインの上月和菜の明るさにはかなり救われた。
CGや演出だけじゃなく、文章からも戦後の日本という独特な世界観が伝わってきて没入できた。
主人公の印象は薄め。カルタグラ1つだとちょっと物足りないかも。殻ノ少女の前日譚としては超良作。
別々に書こうと思ったけど、ネタバレ無しで個別に書くのは難しいと判断。
カルタグラから世界観が繋がっていて、ニヤリとできる場面が何ヶ所かあった。
このシリーズのキーワードは作中何度も出てくる「パラノイア」。登場人物それぞれが抱える心の闇や偏執が、人間臭くて面白かった。
引き込まれる構成
俺は基本的に、ノベルゲームを小説やら映画やらの延長線上として楽しむタイプだから、攻略サイトを見て効率良くエンディングを回収していく事が多い。だけど、このシリーズは、推理ゲームとしての謎解きパートもめちゃめちゃ楽しめた。一見分かりづらい伏線も、BADENDの情報を経てもう一度考え直すことで見つけられる等、プレイヤーに与える情報が練られていてゲームとしての完成度も高いと感じた。これは殻→虚→天と進んでいくほど顕著だと思う。ぜひ一周目はネタバレ無しでやってほしい。(Trueを目指す時は攻略を見たほうがいいと思う)
魅力的な登場人物
殻ノ少女シリーズは3作通してキャラクターが魅力的だった。カルタグラから続投されたキャラクターも何人かいて、作り手のキャラクター愛を感じた。
中でも気に入ったキャラに少し触れておく。
まずは主人公の時坂玲人。自身がパラノイアを抱えながらも、探偵として他者のパラノイアを解放していく。この作品は彼の物語ではあるんだけど、彼の空虚はなかなか埋まらない。そんな所がプレイヤーの視点と重なって感情移入がしやすいキャラクターだったと思う。よくあるウジウジして行動を起こさないようなタイプでもなく、行動力と優しさを兼ね備えた強い主人公だった。
次はヒロインの朽木冬子。少年みたいな変わった口調で話すヒロイン朽木冬子。探偵の主人公が彼女から本当の自分を探してほしいと依頼を受ける。
色眼鏡をかけさせたくないから多くは書かないけど、朽木冬子こそがこの作品の根幹だったと思う。
捜して欲しいんだ。――私を。本当の、ね
残りはネタバレになるから詳しくは書かないけど、この作品はサブキャラクターの魅力が面白さに拍車をかけていると思う。是非感情移入して読み進めてほしい。
特に悪役。この作品の悪役は人間的な魅力に溢れている。
登場人物に関しては、ゲーム内で進行度に合わせて相関図ができていくから置いてけぼりになることはまずないと思う。推理系のゲームとして大切な証拠メモや事件の日記、人物相関図はしっかりしているので安心して大丈夫。
グラフィック、音楽、声、キャラクター、シナリオ、ゲーム性、どれをとってもトップクラスの作品だった。個人的にはWhiteAlbum2や装甲悪鬼村正と並んで歴代ADVランキング1位の作品になった。プレイ時間は長いけど、やって後悔はしないと思う。
感動を味わいたい人は是非。